こんにちは、小山佐知子です。
3月8日は国際女性デー。
今年もさまざまなメディアが企画を組んでいますが、私は朝日新聞の『Dear Girls*』という特集を好んで読んでいます。
*日本で育つ女の子たちが今よりもっと自分らしく生きられる社会を目指す特集(朝日新聞社)
さすがにこの年(この春で36歳!)になると、恥ずかしくて「女子力」なんて言葉はもう使わないのですが、ふと思い返すと、そもそも私は年齢に関係なくこの言葉を積極的に使ってこなかった気がします。なんとなくずっと違和感があったんですよね…「女子力ってなに?」と。
そして、私と同じように違和感を感じている人は、同世代に多いことも、なんとなく知っていました。
かれこれ4年ほど前、不妊治療の真っ只中に、知らないオジさんから「早く子ども作ったほうがいいよ(作り方教えてあげようか?)」と心ないことを言われて傷ついた私は、その行き場のない想いをブログに綴りました。
「女の幸せより、私の幸せがほしい」というこの記事はとても反響があり、「ああ、やっぱりみんな同じモヤモヤを抱えているのよね!」と、へこたれそうになっていた私は逆に勇気をもらいました。
30歳を過ぎて独身だったり、結婚していても子どもがいないふわふわした頃って、他者からの圧力が大きいから自分を見失いやすいのかもしれない……。 そう感じたものです。
あれから4年。
「本当は自分らしく生きたいだけなのに、世間がそうさせない」という現象は、さんざん女性活躍が叫ばれる今もなお全く変わることなく、残念ながら、相変わらず多くの女性がモヤモヤと悩んでいるように思えてなりません。
なぜか。
私はつくづく、古くからある根深い性的役割分担意識が生きにくさの根源だと感じています。
ちょうど先日、今年度の新卒採用が解禁となり、初日からあちらこちらで合同会社説明会が行われていましたが、その様子を伝えるニュースは一斉にこう報じていました。
「今年の採用のキーワードは、働き方改革と女性活躍です」、と。
私が半ばうんざりしながらニュースを見ていると、そこに映し出される多くの出展企業ブースには「女性のワークライフバランスが魅了!」「時短ママ社員が多数活躍中!」といった旗やパネルがあちらこちらにあるではありませんか。
売り手市場の状況下、企業は優秀な人材を確保するためにこうした文句で学生にPRをしているわけですが、私にはどうも薄っぺらく見えてしまうし、本来のワークライフバランスの意味を履き違えているとしか思えない言葉遊び(に見える)に、なんだろな〜〜と悶々としてしまうのです。
いまの女子学生はプライベート重視で専業主婦願望が強い傾向にある、ということも聞いているので企業の戦略としてはもちろん分からなくもないのですが、「福利厚生がこんなに充実!」「守ってあげますよ」という姿勢に、若いうちはむしろ自分を鍛えてバリバリ働きたいという学生はどう思っているのか、とても気になります。
そんな矢先、ある女子大生から質問を受けました。
「小山さん、育児って女性だけがするものでしょうか?ワーキングマザーに対する企業の理解があるというのは嬉しいのですが、男性社員に対しての説明が一切ないってどういうことなんでしょうか?」
私が感じる疑問は、まさに働き方改革やワークライフバランス、そしてダイバーシティまでもが「女性支援」として捉えられていることの矛盾です。
これもまた、性別役割分担意識の根深さを感じられるものですが、企業がどれだけ女性社員への理解やサポートを増やしたところで、男性の働き方や意識そのものを変えて女性の社会進出と同じように男性の家庭進出を進めなければ、家庭における本当のワークライフバランスは実現できないと思うのです。
ちなみに、この学生は、「あまりにもワーキングマザーへのサポートに注力してPRする企業は逆に志望度が落ちる」と明言していました。子どもは好きだしいつか結婚し出産もしたいけれど、それ以外の人生の選択だってあるはずだ、と。
なるほど、この学生のほうがよっぽど冷静に自分の将来を見ているな、と痛感。
こんなツイートも。
#女子だからって言わないで
今就活してるけど、女子向けにワークライフバランスの話(とはいっても産休育休時短勤務についてのみ)するんじゃなくて、男子にもして!
ワークライフバランスで紹介される社員に女性しか出てこない!— ^o^ (@jkukinays) 2017年3月6日
最後に。
私自身の生き方のバイブルになった『LIFE SHIFT〜100年時代の人生戦略〜(東洋経済社)』には、日本語版への序文としてこんなことが書かれています。
夫が外で働いて金を稼ぎ、妻が専業主婦を務めるという昔ながらの家族形態は、長寿化時代には明らかに適さない。最新の世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ報告書」によれば、日本の男女平等度は調査対象145カ国中101位にとどまっている。
日本人が100年ライフの恩恵を最大限大きくするためには、この状況を解消することが避けて通れない。
まだまだ、性別役割分担意識が根深い世の中ですが、女性のみなさん、せめて「女の幸せより私の幸せ」を追い求めて生きましょうではありませんか!
迎えるライフイベントの数が男性に比べて多い女性は、その波に乗ることで人生は何倍も楽しめる!
私は心から思っています♡
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はぴきゃりアカデミー 「ライフキャリア・デザイン校」では、少人数制のスクーリング形式で、4ヶ月かけてじっくり自分と向き合うプログラム。ライター、研修講師として多くの働く女性を取材してきてわかった「ワーク(仕事)もライフ(生活)も相乗効果を発揮しながら楽しみ、成長し続ける人に共通するポイント」を体系化したプログラムを通し、あなたらしい仕事、あなたらしい生き方へと導きます!
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